ターゲット選定

なぜ転職に失敗するのか?それは求人発生の背景まで調べていないからかも

転職を繰り返してしまう人が居ます。
辞めグセ、ジョブホッパー、様々な表現で揶揄されることも多い転職癖。

 

比較的多くの場合、それらは真実でしょう。
辛い環境で長く耐えてきた反動からか、一度転職という選択をすると次の転職のハードルが下がる

 

しかし、1つ考えるべき視点があります。
ひょっとしたら本当に転職する度に職場や仕事が辛くなっていっているのではありませんか?

今応募しようとしている求人の裏側の事情

「いやぁ、未経験でOKなんて書いてあるもんだから油断しちゃいましたよ…」

こう語るのは大手メーカーからベンチャーの経営企画に転職したOさん。
自身での起業を目標としていたOさんは、いつしか大手起業のビジネススピードに不満を持つようになりベンチャーの舵取りをするポジションの求人に応募しました。

 

専門的なポジションであるにもかかわらず、募集要項は未経験でもOK。
またたく間にOさんは内定を勝ち取り、転職を決意しました。

 

「びっくりしました。初日から終電なくして、業務内容はなんというか、社長のお付きみたいな感じで…」

入社後Oさんを待ち受けていたのは求人内容からはかなり読み取りづらい、社長秘書のような仕事。
それも、自宅への送り迎えなどを含めた非常にハードな内容のものでした。

 

結局Oさんはその後ほどなくして2度目の退職を決意することになります。
さて、彼は何を見落としてしまったのでしょうか?

 

おそらくそれは、求人背景です。
転職求人は新卒求人と違い、明確な理由なくして発生しません。
また、その理由も大別して2つに分類できます。

 

  • 人員拡大
  • 欠員補充

 

この求人背景の中に一部注意が必要なケースが隠れています。
具体的にみていってみましょう。

1.人員拡大

[事業好調につき、10名の新規採用を計画]

人員拡大は企業の成長に合わせた転職求人の背景です。
そのほとんどはポジティブな理由で構成されますが、一つだけやや注意な必要なものが。
人員拡大という求人背景を更に4つの理由に分類してみます。

事業拡大

人を増やせば会社が成長するので募集される求人
営業やサービスマン等のプロフィットセンター職種が多い傾向
急激に業績を伸ばしている業界、中規模程度までの企業に多い

 

事業拡大は最もポジティブな求人背景です。
会社がこなすべき案件が沢山あり、まさに猫の手も借りたいような状態。
あまりに小さな会社である場合は、経営陣がきちんと事業の成長曲線を計算して人員計画を策定しているかほんの少し気にかかる点はあります。

新規事業

これまでの人員では対応が難しい新規事業に進出するために募集される求人
任意の分野のスペシャリスト職種が多い傾向
新興企業から、本業とのシナジーを見込む中堅〜大企業まで幅広く存在

 

新規事業も比較的前向きに実施されることが多い求人背景。
企業として、末永く事業を発展させるためは時流に即した変化を受け入れることは不可避です。
募集元企業にまだノウハウがないこともあり、新規事業開始を背景とする求人はマネージャー層以上が募集されることが多い印象があります。

ダイバーシティ

法令遵守や企業人材の多様化を目的として募集される求人
特定のハンディキャップドパーソンや性別の採用を目的とすることが多い
主にCSRを求められる大企業に多い

 

ダイバーシティはやや特殊な求人背景。
企業の社会的責任や女性の社会進出といった、社会が企業に求める役割を果たす上で意識される採用です。
上場企業や従業員数数千名規模の大企業にて実施されることが多い傾向があります。

社内政治

企業における特定の権力者の思惑で募集される求人
要職の片腕として高い業務能力を求められるポジションが多い
同族会社における非同族の部門長が実施する例がやや多い

 

社内政治はかなり例としては少ない求人背景ですが、注意が必要なものです。
採用決裁権を持つような要職にある人物が、その部門や体制を強化する意図にて企画する求人。
それゆえ採用後も、何かとボスである要職の権力闘争にからむしがらみに面したりストレスフルな業務内容となる場合があります。

2.欠員補充

「まずい、早急にあいつの代わりを見つけないと…」

欠員募集は、かつてそのポジションを務めた誰かの代わりを探す求人。
前任者が何らかの理由で辞職している、その背景を深く調べることが転職希望者のために必要でしょう。
欠員募集は3つの具体的な背景に分類ができます。

自己都合退職

前任者が、自分の意志で退職したため発生した求人
その人物が退職した原因が業務内容である場合は注意

 

『前任者が退職・または転職したポジションに自分が転職する。』
こう表現すると何かアラームが鳴る気がするのではないでしょうか?

 

その方は何かを不満にした辞めたのか?はたまたやりたい事ができたからなのか?
このあたりをまったく意識せずに進んでしまうと次は貴方もその不満を感じる番になってしまうかも知れません。

会社都合退職

前任者が、会社の都合で退職したため発生した求人
なぜその人物は辞めなければならなかったのかを調査したい

 

『前任者が解雇されたポジションに自分が転職する。』
上記の自己都合退職よりは得体の知れない危険は少ないかも知れません。

 

ただし、解雇の理由が業務遂行能力など成果に関するものだった場合は自分にも同じレベルの要求が来ることになります。

定年退職

前任者が、定年退職したため発生した求人
実に円満な理由であり、良い職場環境を期待できる

 

『前任者が人気を全うしたポジションに自分が転職する。』
身が引き締まる思いにはなりますが、危険はもはや感じないでしょう。

 

65歳、はたまたもう少し手前の役職定年かも知れませんがとにかくサラリーマン人生を完遂した方の後任。
あまり中途採用に積極的ではないが、ニッチで優良な企業のルート営業職のポジションなどで時々こうしたお宝求人が発生します。

求人の背景を知ることで、転職後の姿をイメージする

ポジティブ ニュートラル ネガティブ
事業拡大、新規事業 ダイバーシティ 社内政治
定年退職 自己都合退職会社都合退職

 

あくまで可能性の話ではありますが、求人背景とその原因が示す意味合いについて本頁ではこのようにまとめました。

 

転職活動では行きたい会社、やりたい仕事に目が行きがちです。誰だってそうです。
しかし、一部の成長企業や事業をのぞいて中途採用求人が発生する裏側にはほぼ間違いなく前任者の退職が絡んでいます

 

どうしてその求人は生まれることになったのか?
この視点を持つことができればあなたの今回の転職におけるミスマッチが生じる確率をグッと下げることができます。

 

一度目の前の転職先候補リストを前に考えてみて下さい。

「この求人はなぜ募集されるに至ったのか?」
「前任者は辞めたのか?だとしたら何が辛いんだ?」

この一呼吸があなたの人生を救うことになるかも知れません。

 

ただ、求人の発生理由にまで言及する転職サイトは稀です。
求人背景を知ることができるのは転職エージェントを使った転職の大きなメリットの1つと言えるかも知れませんね。

登録すべき転職エージェント

リクルート出身で自身も数度の転職経験を持つ筆者が選びました。

転職エージェントには個々の強みと特色が存在します。
貴方にとってベストに近い選択肢を複数持ち、積極的に彼らを利用していきましょう。

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