筆記試験といえばアレルギーを感じる方も多いでしょう。
大卒の方ならば、小学校入学から20代まで、実に15年もの間にわたって定期的に悩みのタネであり続けたもの。
残念ながら、近年は転職活動においても筆記試験を経て面接選考へステップが進むパターンが多く見られます。
転職活動にまで筆記試験がつきまとう理由
転職希望先の選考で筆記試験がある。それは応募者の立場では変えようのない事実です。
そこで、今回は筆記試験に挑む皆さんの学習の筆を少しでも進めるべく、転職活動において筆記試験が行われる意図について、企業の採用選考の裏側を知る立場から考察してみたいと思います。
アプローチ方法は3つ。
筆記試験で試される「言語能力」と「数的処理能力」、そして「性格適性」の3つの検査に沿った形で考えてみましょう。
言語能力の必要性
主にスタッフ職など、文系職種において特に重視されるのが言語能力です。
スタッフ職の特徴は、業務遂行においてタテとヨコの関係性が重要だということ。
タテは役員から一般社員まで、ヨコは社内における全ての部門。
あらゆる対象層とのコミュニケーションが求められる職務です。
故に、根本的な意味合いでの「日本語能力」、語彙や知識、論理性を問う意味合いで採用企業としてはその片鱗を筆記試験を通じて確認したいという意向が生じるわけです。
数的処理能力の必要性
研究開発職、エンジニア職など、理系に通じる職種への適合性を図るのが数的処理能力です。
理由については語るべくもなくですが、とにかくその応募者が数を扱う事を著しく苦手としていないかを知りたい。
優劣をつけるためというよりは、確認に近い形で準備されている関門と理解すればよいでしょう。
尚、数値を扱う重要性は上記職種のみならず、スタッフ職や営業職にも同様に求められると考えておいた方が賢明です。
例えば経営企画職。
彼らは経営者が大きな意思決定を実施する際に参照するベースデータの作成を担います。それが大きな間違いを孕んだものだとしたら大変です。
営業職にしても同様。
自分が責任を持つ予算を初め、顧客に提出する見積など、その日々は数字に溢れています。
性格適性の必要性
転職活動の筆記試験において、最も回答に多くの時間を要するのが性格適性検査です。
平均してみると200問くらいのマーキングを実施しなければならないこの検査。
企業が見極めたいのは、企業文化と転職希望者のズレの多寡です。
極端な例を挙げましょう。
ルート営業で顧客とじっくり仕事に取り組んできたAさんが居たとします。
今回、同業界で同じ営業職としての転職を希望し、これまでと変わらない働き方ができそうなB社の転職選考に臨んだ。
ですが、実はB社の営業文化は「全力前進!全員新規開拓!!」というかなりオラオラな感じ。
これまで特定顧客に向けて継続的且つ中長期的な提案を実施することで成果を上げてきたAさんにとって、ひょっとしたらB社はあまり合わないかもしれません。
こうした致命的な両者のミスマッチを未然に防ぐ意味でも、性格適性というものさしは必要な要素と言えます。
以上、転職活動の筆記試験対策にあたって、まずはその必要性を再確認しました。
次回は試験別の対策について考えてみましょう。
リクルート出身で自身も数度の転職経験を持つ筆者が選びました。
転職エージェントには個々の強みと特色が存在します。
貴方にとってベストに近い選択肢を複数持ち、積極的に彼らを利用していきましょう。