転職を考え出すきっかけに多いのが「スキルアップしたい」という思いです。
実際転職面接の場面でも非常に多く出てくるセリフ。
しかしながら転職とスキルアップ、この2つの関連性をしっかり把握しておかないと自滅することもあります。
鶏が先か卵が先か
企業が転職者に求めるもの。
転職希望者が転職に求めるもの。
これらが必ずしも一致しないことから、スキルアップという言葉の捉え方に差異が出てきます。
スキルアップを目的とする、それは本音でOK
「今回の転職を通じて今後は◯◯分野でのスペシャリストとして精進したく考えております!」
前向きで非常に結構な志望動機です。
私が面接官ならばそうですね、第二新卒層まではこのセリフを許すと思います。
理由は明白。若年層にはやる気や意気込みを求めるからです。
若年層が持っているべきスキルはこうした勢いやフレッシュさであると言い換えても構いません。
ですから、転職を通じて自身の能力を高めたいという、いわば自分の欲求に関わる部分は本音として心の中に留めておくだけで良いのです。
転職先が求めるのはどんな人物か
「私は◯◯職として5年従事してこうした実績を残しました。御社においてもこのスキルを活用し、更に◯◯分野に高めていければと考えています。」
先程とは少し表現が変わりましたね。
自身が既に身につけたスキルと実績を伝え、その活用を前提にその企業の中でゆくゆくはどうなっていきたいのかを描く形の志望動機です。
企業が即戦力の中途採用者に求めるのはこの形の表現だと考えられます。
現在の求人に対してそのポジションを充足し得るスキルと実績を持ち合わせているその上で、その企業の中でスキルアップするステージを見据えるような候補者。
ステージを変えて、未来にスキルアップがある
「私は営業職の経験が5年あります、今回の求人は営業職ですからできると思います。ゆくゆくは経営企画職として広い戦略を考えたいです。」
職能を具体的にしつつ、構造を簡略化するとスキルアップのニュアンスを含めた転職面接でのアピールはこうあるべきです。
- 求人内容に対して応募要件を満たしている
- どの程度満たしているのか具体的に数値で説明する
- そのうえでその会社に存在するキャリアパス上で今後の展望を語る
この三段論法がきちんとできていると、その候補者はその企業でのキャリアをしっかりと意識できている印象になります。
働く姿をイメージして伝えるという手法はこの構造に帰結します。
当然ながら志望企業のキャリアパスを知るための下調べも必要になりますが、その努力は全てこの具体的なPRの中に現れて志望度合いの強さとして伝わることでしょう。
転職することは=スキルアップではない
「転職を通じてスキルアップしたい!」
おさらいです。これは20代中盤くらいまでの第二新卒者にだけ許される魔法の志望動機だと認識しましょう。
「私は今回お求めの職の経験があります、ですから将来は◯◯職にスキルアップさせて下さいね。」
ビジネスは取引です。
何かを差し出すから何かを貰う、経験ある社会人のスタイルがそのまま現れていると考えれば理解も容易かと思います。
企業とて、せっかく雇った社員が成長することは何よりも嬉しく感じるものです。
リクルート出身で自身も数度の転職経験を持つ筆者が選びました。
転職エージェントには個々の強みと特色が存在します。
貴方にとってベストに近い選択肢を複数持ち、積極的に彼らを利用していきましょう。